こんにちは、こんばんは。
芸能ネタばかりして反省して、ポーラン
ドの事情などおカタイ話を昨日いたしまし
た、アラフィフもよです。
きょうはヒトの脳の成熟についてのお話。
「まあ、この人、こんなことまで書くの?
やあねえ、ムズイ話はいやよ」
とカタイことを言わず、今日もお付き合い
くださいませ。
●ヒトの脳が成熟するには、ずっとかかる
令和4年4月から、日本で成人の年齢が
18歳に引き下げられましたね。
18歳と言えば、思春期ですよね。高校生
ですよ、中にはもう働いていたり、早生ま
れさんは大学生になっていたりするでしょ
うか。
「15で姉やは嫁に行き~♪」という歌が
ありますが、数え年14、15歳でお嫁に行っ
た事は大昔ではありました。
その頃の平均寿命は50歳位でしょうから、
そう考えると早くもないか、と思います。
身体機能の成熟は14、15歳で完成します。
生殖機能も然りですから、子どもをもうける
事は可能で、当時の避妊方法もあまり選択で
きない時代では、「子だくさんはあたりまえ」
と言えば、あたりまえでした。
その身体の成熟に対して、脳の完成は、更
に10年以上かかると言われています。
●思春期の難しさは「感情爆発」なのよ!
「大脳辺縁系」の発達は性ホルモンの高まり
によって急激に成熟していきます。
「大脳辺縁系」とは簡単にまとめますと、
ヒト以外の生物にもある、脳のなかでは進化的
には古い部位と言われ、思春期に急激に発達す
るものです。
思春期には、自分の意志では制御が難しい感
情を沸き立たせる脳の活動=「感情爆発」が起こ
ってしまいます。
「いけない、いけない」
と自制心が気持ちを抑制できるようになるには、
「前頭前野」の発達が必要です。
「前頭前野」とはひとことで言うと思考力や
想像力、感情の制御や計画性という、ヒトらし
い心の動きを担う中枢部位です。
この「前頭前野」の成熟に25~30年かかると
言われているのです。
●「感情爆発」をとめるのは、「前頭前野」
感情を司る「大脳辺縁系」の活動を抑制する
には、「前頭前野」の成熟を待たなければなら
ないのですから、「20歳成人」を「18歳成人」
に引き下げたのは、ヒトの脳の発達としては、
逆行してしまった事になります。
人生100年とか言い始めましたが、私たち
アラフィフ世代は、30歳位の者に対しては、
「まだまだケツの青いヤツ」という優しい
目で彼らの言動を大目に見てあげる必要は
あると個人的には思います。
もちろん、動画撮影で炎上しているよう
な日本人として恥ずかしい振る舞いが許さ
れるわけではありませんが…。
●ご存じですか。「特定少年」という言葉
18、19歳の犯罪は、成人として処罰を与える
のではなく、「特定少年」という少年法の該当
になっています。
成人扱いとして、契約できる、クレカが作れる、
選挙で投票できる等の権利が認められる一方で、
それらのトラブルに巻き込まれやしないかの懸念
があります。
飲酒、喫煙も20歳まで出来ないことは変わりま
せん。身体の成熟は20歳であるとする考えを政府
は、そのまま残したという事でしょう。
「まだまだケツの青いヤツ」をうまく導いて
あげることが私たちアラフィフ以降のオトナ達
の使命ですね。
2023.2.23 アラフィフもよ
秋元望余
(参考文献: 「ヒトの脳と心の発達に必要な環境とは」
京都大学大学院教育学研究科教授
明和 政子氏
更生保護法人 日本更生保護協会 発行
『更生保護』十一月号 )